やりたかったこと(または「症状」)
VPS上でnginxを設定し直して静的サイトを配信しようとしたら、ブラウザでもcurlでも403 Forbiddenしか返ってこなくなった。設定ファイル自体は前日まで動いていたものをコピーしただけなので、どこが悪いのか見当がつかず、1時間近く同じ設定を読み返す羽目になった。
$ curl -I https://example.com/
HTTP/1.1 403 Forbidden
Server: nginx/1.24.0
Date: Mon, 20 Jul 2026 09:12:03 GMT
Content-Type: text/html
Content-Length: 153
Connection: keep-alive
環境
- OS: Ubuntu 22.04 LTS(さくらのVPS)
- nginx: 1.24.0(Ubuntu標準パッケージ)
- デプロイ方法:
rsyncでビルド済みの静的ファイルを/var/www/example.com/htmlに転送 - 実行ユーザー: デプロイ用の一般ユーザー
deploy(rootではない)
試したこと
最初に、403は権限系のエラーだと分かっていたので root ディレクティブのパスを疑い、ls -la でディレクトリの中身を確認した → ファイルは存在していて中身も正しかった → パスの指定ミスではないという結論になり、この時点では原因が分からなかった。
ls -la /var/www/example.com/html
total 12
drwxr-xr-x 2 deploy deploy 4096 Jul 20 09:00 .
drwxr-xr-x 3 deploy deploy 4096 Jul 19 22:10 ..
-rw-r--r-- 1 deploy deploy 612 Jul 20 09:00 index.html
次に、index.html のパーミッションが 644 で読み取り可能になっていることを確認したうえで systemctl restart nginx を実行してみたが、403は変わらなかった。ファイル自体のパーミッションは問題なく、別の層で止められていると気づいたのはこの後だった。
systemctl restart nginx
curl -I https://example.com/
HTTP/1.1 403 Forbidden
原因
nginxがファイルを配信するには、index.html 自体の読み取り権限だけでなく、root に指定したパスの祖先ディレクトリすべてに、nginxの実行ユーザー(多くの場合 www-data)が「通過(実行権限 x)」できる権限を持っている必要がある。今回は rsync でデプロイした際にホームディレクトリ配下 /home/deploy/www を経由しており、途中の /home/deploy のパーミッションが 750 になっていたため、www-data がそのディレクトリを通過できずファイルにたどり着けなかった。ファイル単体の権限だけを見ていても気づけない原因だった。
解決方法
経路上のディレクトリ権限を1階層ずつ確認する
namei -l /var/www/example.com/html/index.html
f: /var/www/example.com/html/index.html
drwxr-xr-x root root /
drwxr-xr-x root root var
drwxr-xr-x root root www
drwxr-xr-x deploy deploy example.com
drwxr-xr-x deploy deploy html
-rw-r--r-- deploy deploy index.html
namei -l を使うと、ルートから対象ファイルまでの全階層のパーミッションと所有者を一度に確認できる。今回は /var/www 配下は問題なく、実際に権限が欠けていたのは別サーバーで検証していた /home/deploy/www 構成の方だった。
実行権限が欠けているディレクトリにxを付与する
chmod o+x /home/deploy
(出力なし。実行後にnamei -lで750→755になったことを確認)
ディレクトリの実行権限(x)は「そのディレクトリの中に入って中身を参照する権限」を意味する。書き込み権限とは独立しているため、他人に書き換えさせずに配信だけ許可したい場合はこの o+x の付与だけで十分になる。
nginxのエラーログで裏付けを取る
tail -n 5 /var/log/nginx/error.log
2026/07/20 09:11:58 [error] 812#812: *3 open() "/home/deploy/www/index.html" failed (13: Permission denied), client: 203.0.113.5, server: example.com, request: "GET / HTTP/1.1"
(13: Permission denied) が出ていれば原因はパーミッションであり、パスの指定ミス(is not found)とは切り分けられる。この行を最初に確認していれば、root パスそのものを疑う遠回りをせずに済んだ。
ハマったポイント
index.htmlのパーミッションだけをls -laで確認して安心してしまい、祖先ディレクトリの権限まで見ていなかったせいで30分以上原因が分からなかった- ホームディレクトリ配下(
/home/deploy/www)を公開ディレクトリとして使っていたため、Ubuntuのデフォルト設定750がそのまま残っていてwww-dataから読めなかった chmod -R 755を対象ディレクトリに一括で使いそうになったが、それだと祖先ディレクトリの権限までは変わらないため意味がなかった。祖先を1階層ずつo+xする必要があった- エラーログを見る前に
systemctl restartを何度も試していて、無駄な再起動を繰り返した
よくある質問
Q: nginxで403 Forbiddenとindex.htmlがありませんの違いは?
403はファイルの存在は確認できているがアクセス権限がなくて拒否されている状態、404はファイル自体が見つからない状態を指す。エラーログに Permission denied と出ていれば403系のパーミッション問題、No such file or directory と出ていれば404系のパス問題として切り分けられる。
Q: index_forbiddenと表示される場合との違いは?
autoindex が無効な状態でディレクトリに index.html が存在しない場合、nginxはディレクトリ一覧を返そうとして拒否する「index.html」のindex_forbiddenというエラーになる。これはパーミッションではなく index ファイルの有無が原因なので、ls で対象ディレクトリに index.html があるか先に確認するとよい。
Q: /var/www配下ならこの問題は起きない?
/var/www はデフォルトで祖先ディレクトリが 755 になっていることが多く起きにくいが、/home/ユーザー名/... のようにホームディレクトリ配下を公開パスにすると、Ubuntuのデフォルトのホームディレクトリ権限 750 が原因で同じ403が起きやすい。公開用ディレクトリは /var/www 配下に置くのが無難。